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2014.07.19 Saturday

全日本マウンテンバイク選手権ダウンヒル:マスターズ40代クラス:決勝日

7月19日土曜日

決勝の朝を迎えました。

スッキリ目が覚めたので、先ずは身体の準備から始めます。山下トレーナーが作り上げたB.aメソッドを使用して、関節を整え筋肉の準備を行います。その後、自転車を固定しそのままペダルを漕げるようにしたローラー台の上で20分ほどのウォームアップを行い、心肺機能の準備をします。

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レースまでの間に練習する時間帯が設けられており、搬送車に乗ってスタート地点に向かいます。ダブルジャンプもステップダウンも攻略することは出来ませんでしたが「今できることを全力で行う」と頭を切り換え、一発勝負の決勝に向けて準備を進めていきます。

電解質のタブレットを溶かした水分を補給し、なるべくリラックスします。搬送車の乗り場へ向かうと決めていた時間になったのを確認すると、炭水化物のジェルを口に含みました。同じクラスの仲間達と記念写真を撮ると搬送地点に向かいます。

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スタート地点はやはり、緊張します。ただ、今回はあまり気負いがありません。緊張しすぎることもなく、スタート時間が近づいてきました。

ただ、スタート台に上がる寸前に、転倒者を伝える無線がスタート地点に流れ、少しだけ嫌な気持ちになりました。マスターズクラスの選手はみんな仲間みたいなモノです。その中の誰かが要救助の転倒をしたと言うことなのです。

でも、スタート台に上がると心は静まりました。

「今できることを全力で行う」

スタートの為のギアに入っているかどうか確認し、両足の金具をペダルに固定しました。スタート台の手すりに手をつき、バイクを支えます。10秒前のブザーが鳴り、5秒前からスタート出来ます。

なんとなく心の中で5秒を数えたところで、5秒前のカウントダウンのブザーがスタート。左足を踏み込みながら、右のペダルを引き上げてスタート台の斜面を駆け下ります。一速シフトアップして一つ目のジャンプ。右側を丁寧に低く飛び越え、ラインを左に寄せていきます。二個目と三個目が連続するジャンプまでは最大に加速、しかし二個目のジャンプの斜面を利用して最大に減速、ほぼ舐めるようにジャンプを越えると三個目に向かって再び加速、飛び越えます。

直線の終わりにある四個目のジャンプをなるべく速い速度で飛び越えると、右に旋回しながら急坂区間に入っていきます。去年のラインと今年のラインの路面の違いを、ペダルに掛ける荷重を変化させて吸収しながら、前に進めます。落ち込むように左に曲がる新しいセクションも上手くトラクションを掛けて通過、去年のラインに飛び出していきます。

ここはかちかちで湿っていて、どうやら先ほどの選手はここで滑らせて転倒した模様。

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Photo by 信州ふぉとふぉと館

滑りそうなときのために考えて居た、左の斜面に後輪を当てに行くラインを使って、安全に向きを変えます。ただし、可能な限りブレーキは解放。右から左へと、バイクは大きく向きを変え、その上でバランスを取ることを失敗すれば、やはり地面にたたきつけられるでしょう。

バイクの後輪が一気に1メートルほどスライドし、斜面にぶつかりました。左へ向けて大きく移動して居たベクトルが急激に止められ、強いGが身体に伝わります。バランスと柔軟性でそれを受け止めると、今度はバイクが前に向かって飛び出します。遅れることなく、バイクのセンターに荷重をかけると、急斜面をバイクが突っ走っていきます。

急斜面の下は舗装路。タイヤのグリップ力が変わりやすく、ここも危険なポイントです。ですが、舗装路を横切ったとたん右に高速のターンをしなければなりません。ここは路面が浮いた砂。短い間に何度も路面が切り替わるのです。アスファルトの上でバイクを垂直に維持したまま、ハードブレーキング。舗装路を飛び出し砂に変わったところで、前輪に掛かって居る荷重を利用してなるべく早く向きを変え、ペダリングに入ります。

今回、武器と言えるのはこのペダリングだけ。後半に体力を残すことを考えながらも、可能な限りペダルに入力を加えます。この区間ではトップギアまで入りました。

そしてステップダウンでは、やはり減速。ほとんどの人がステップダウンを飛び越えるために加速する区間で、減速をすると言うことはタイムのことを考えると自殺行為です。

ですが、タイヤが地面に着いている時間が長くなるわけですから、その間ペダリングでバイクを加速出来れば、タイムを稼げるかも知れない。そう信じてステップダウンの後のテーブルトップジャンプに向けて、今日最初のフルパワーのペダリングを開始。

一つ目のテーブルトップジャンプを、半分飛べるところまで加速させることに成功。

バックサイドに添わせるように更にペダリングを続け、二つ目のテーブルトップジャンプをクリア。ここから緩やかな登りがあります。試走の時のようにスタンディングで全力で漕ごうとしたのですが、既に売り切れ始めて続ける事ができず、シートに戻ってペダリングを続けます。

去年のドロップオフを迂回するラインに進入すると、スタンディングが出来なくなるほど疲労しているわけでは無いことを感じ、もう一度気持ちが前を向きます。可能な限り遠くの斜面に飛び出すように走らせ、下り坂でバイクを加速させます。

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舗装路を横切り、斜めに側溝を飛び越えます。ペダルに入力を続けながら舗装路脇を走り抜け、滑りやすそうな右ターン。一旦荷重を抜くことで、その後ピンポイントで路面にタイヤをコンタクトさせ、グリップを生み出します。無事に向きが変わると、後半のシングルトラックセクションに向けて進入するラインを加速。

舗装路を使って減速すると法面に進入。直線的に入って、なるべく点で右に向きを変えます。小さなアップダウンを繰り返すこのシングルトラックは、荒れた路面を浮かせれば、かなり直線的に走り抜けることが出来ます。つまりブレーキを離している時間を長くすることが出来るのです。ゴール前は小さなターンが続くので、しっかりと減速してコンパクトに向きを変え、早めにブレーキを離すことで加速します。

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Photo by 信州ふぉとふぉと館

様々なことが、かなり上手く行っています。 最後の右ターン。曲がった瞬間に、その先の川越えとバンクが視界に入りました。

「前を向けている!」

後はブレーキを離すだけ。ちょっとだけぎりぎりになってしまいましたが、川越えのジャンプも上手く行き、バンクで向きを変えながら最後のペダリングのギアもぴったり。ゴールラインを通過しました。

去年は全然上手く行かなかった全日本選手権なので、僕よりも早い選手はほぼゴールしています。

「館さん、40代のトップタイムだよ!」

未確認情報なのですが、この時点で40代の中でトップタイムを記録しているらしいのです。マスターズクラスは30代、40代、50代全部が一緒のタイム計測を行うので、全体のタイムしかわかりません。

「勝ちたい」

この時点で、ようやく欲が出ました。

しかしゴール地点で発表されるのは6位まで。そこに名前は出てきません。タイムから考えると7位か8位。6位までには30代の選手しか居ませんから、優勝か2位らしいのですが、正式なリザルトが発表になるのを待つしか無さそうです。

ゴール地点からはだいぶ離れている駐車場に、搬送車に乗せてもらって戻ります。山下トレーナーに優勝の可能性があることを伝えると、とても喜んでくれますが、この後始まるシニアエリートの決勝に参加する青木卓也選手の準備で忙しそうです。

疲労を抜くためにローラ台を漕ぎ、回復に入っていきます。極度に集中した状態から解放され、徐々に一般的な感覚が戻ってきます。回復のためのドリンクを飲んだりしながら、身につけていた装備を脱ぎ、レースモードから解放されていきます。

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「おめでとうございます!」

ピットにわざわざ来て下さった方が、教えて下さいました。

やった。

青木選手を送り出した山下トレーナーと、リザルトを確認しに行きます。何度見てもリザルトの一番上に名前があります。ずっと目指してきて、あとちょっとの所で届かなかった優勝という文字が、遂に僕の所にやってきたのです。

やった!

やった!

40代のクラスの全日本チャンピオンなのです。

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ずっと支えてきてくれた山下トレーナー、本当にありがとうございます。
様々な形で応援し、サポートして下さった皆さん、本当にありがとうございます。
ようやく1つの形を残すことが出来ました。まだまだ続きます。
でも、今は、有り難うございました。

協力(敬称略)

Yuris :FIREEYE. INDUSTRY NINE. FORMOSA
Marsh :自転車に関する全て
重力技研 :サスペンション
Drop8 :バイクウエア

body architect
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